はじめに
確定申告は税金を納める手続きですが、正しい方法で行えば税金を節約することができます。
この記事では、確定申告で節税するための10の具体的なポイントを解説します。個人事業主や会社員、副業をしている人まで、幅広く役立つ情報をお届けします。
1. 青色申告特別控除を活用する
不動産所得または事業所得を生ずべき事業を営んでいる場合、青色申告を選択すると、適用要件に応じて10万円、55万円、65万円の3種類に分かれます。控除の適用を受けられれば、所得税、住民税の負担を軽減できます。
複式簿記で記帳 | 貸借対照表と損益計算書の提出 | 期限内に申告 | 電子申告または優良な電子帳簿保存 | |
---|---|---|---|---|
65万円控除 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 |
55万円控除 | 〇 | 〇 | 〇 | ー |
10万円控除 | 簡易簿記 | 損益計算書のみ提出 | ー | ー |
- 帳簿を正確に記録する必要があります。(55万・65万控除)
- 初めて青色申告を行う場合は、事前に「青色申告承認申請書」を提出する必要があります。
青色申告書による申告をしようとする年の3月15日まで(その年の1月16日以後、新たに事業を開始したり不動産の貸付けをした場合には、その事業開始等の日(非居住者の場合には事業を国内において開始した日)から2月以内。)に提出が必要です。
2. 必要経費をしっかり計上する
事業に関連する支出は、必要経費として所得から差し引くことができます。
日々の記録を怠らないようにし、領収書をきちんと保管しましょう。
経費の例
- 交通費(バス代や電車代)
- 通信費(インターネットや電話代)
- 事務用品費(文房具、プリンター用紙など)
- 家賃や水道光熱費の一部(自宅を事務所として使用している場合)
3. 医療費控除を申請する
年間の医療費が10万円を超えた場合、医療費控除を受けられます。
ただし、その年の総所得金額が200万円未満の人は、総所得金額の5パーセントの金額を超過した金額が医療費控除できます。
生計を一にし、扶養している家族の分も合算して申請できます。
対象となる医療費の例
- 病院での診察料や治療費
- 処方箋に基づく薬代
- 通院のための公共交通機関の交通費
4. ふるさと納税を活用する
ふるさと納税を利用すれば、寄付した金額から自己負担額2,000円を差し引いた金額が税額控除されます。
さらに返礼品を受け取ることもできるため、節税と同時に特典を楽しむことができます。
詳しくはふるさと納税のコラムをご覧ください。
節税の流れ
- 寄付先を選び、寄付を行う。
- 寄付金受領証明書を確定申告で提出する。
5. 小規模企業共済で将来の備えと節税を両立する
小規模企業共済に加入すると、掛金が全額所得控除の対象になります。
将来の資金を準備しながら、節税できる優れた方法です。
メリット
- 月額最大7万円まで掛金を設定可能。
- 退職金代わりとして利用できる。
6. 生命保険料控除を適用する
生命保険料控除を利用すれば、生命保険や医療保険、介護保険に支払った保険料が控除されます。
保険会社から届く控除証明書を必ず用意して申告しましょう。
控除の種類
- 新(旧)一般生命保険料
- 新(旧) 個人年金保険料
- 介護医療保険料
7. 配偶者(特別)控除・扶養控除を申請する
配偶者や扶養親族がいる場合、配偶者(特別)控除や扶養控除を利用して所得を減らすことができます。
家族の状況を確認し、適用できる控除をもれなく申告しましょう。
詳しくは「配偶者控除」「配偶者特別控除」「扶養控除」の違いは?のコラムをご覧ください。
8. 住宅ローン控除を活用する
住宅ローンを利用してマイホームを購入した場合、一定の要件を満たせば住宅ローン控除が適用されます。
初年度は確定申告が必要ですが、2年目以降は年末調整で控除可能です。
9. 雑損控除を利用する
災害や盗難、横領などで損失を被った場合、雑損控除が適用されます。
損失の証明となる書類を用意し、申告時に提出してください。
- 台風や地震などの自然災害による損害。
- 盗難や横領による損害。
10. 確定申告をプロに任せる
税理士に依頼することで、申告漏れやミスを防ぎ、最大限の節税効果を引き出せます。
特に初めて確定申告を行う方や、複雑な申告が必要な方にはおすすめです。
- 節税のノウハウを活用できる。
- 複雑な計算や手続きを任せられる。
確定申告の注意点
節税を意識する際、以下のポイントにも注意しましょう!
- 節税のために虚偽の申告をしない(ペナルティが発生します)。
- 節税対策を過剰に意識しすぎて本来の税額を大幅に減らさない。
- 控除や経費の条件を正確に理解する。
まとめ
確定申告は節税の大きなチャンスです。この記事で紹介した10のポイントを活用すれば、納税額を抑えるとともに、適切な手続きを行うことができます。初めての方や不安がある場合は、税理士などの専門家に相談することも検討してみてください。 当事務所では確定申告のサポートを行っております。お困りの際はお気軽にご相談ください。節税効果を最大化し、安心して確定申告を終えられるようサポートいたします!