法人・個人・消費税の知識

課税される所得と非課税所得 

所得とは?

「収入」と「所得」という言葉は同じ意味のように使われることがありますが、税法上、収入から必要経費を差し引いたもの、つまり「もうけ」のことを「所得」と呼んでいます。
所得税法では、所得の種類を利子所得、配当所得、不動産所得、事業所得、給与所得、退職所得、山林所得、譲渡所得、一時所得および雑所得の10種類に分類して、それぞれの所得の内容と計算方法を定めています。
このうち雑所得とは、「他の所得のいずれにも該当しない所得」をいいますから、所得税は個人が得たすべての所得に対して課税されるというのが原則です。

非課税所得  

所得税は、納税義務者に帰属するすべての所得に対して課税することを原則としていますが、所得の中には、社会政策その他の見地から所得税を課さないものがあります。これを非課税所得といいます。
非課税所得は、所得税法および租税特別措置法のほか、その他の法律に規定されています。
非課税所得は、所得金額の計算から除かれますから、非課税の適用を受けるための手続は原則として必要ありません。
なお、非課税所得について損失が生じても、その損失はなかったものとみなされます。
非課税所得の主なものには、次のようなものがあります。

区分 非課税所得の項目及び内容 
利子
配当所得関係 
・ 障害者等の少額預金の利子(所法10) 
・ 勤労者財産形成住宅貯蓄の利子等(措法4の2) 
・ 勤労者財産形成年金貯蓄の利子等(措法4の3) 
・ 納税準備預金の利子(措法5) 
・ オープン型証券投資信託の特別分配金(所法9①十一、所令27) 
・ 非課税口座内、未成年者口座内の少額上場株式等に係る配当等
  (いわゆる「NISA、ジュニアNISA」)(措法9の8、9の9) 
給与所得
公的年金関係
・ 傷病者や遺族などの受け取る恩給、年金等(所法9①三、所令20) 
・ 給与所得者に支給される一定の旅費、限度額内の通勤手当、職務の遂行上必要な現物給与(所法9①四~六、所令20~21) 
・ 国外で勤務する者の受ける一定の在外手当(所法9①七、所令22) 
・ 外国政府、国際機関等に勤務する外国政府職員等が受ける給与所得(所法9①八、所令23、24) 
・ 文化功労者年金法の規定による年金等(所法9①十三) 
・ 特定の取締役等が受ける新株予約権等の行使による株式の取得に係る経済的利益(いわゆる「税制適格ストック・オプション」(措法29の2) 
譲渡(山林)所得関係・ 生活に通常必要な動産の譲渡による所得(所法9①九、所令25) 
・ 資力喪失の場合の強制換価手続による譲渡による所得等(所法9①十、所令26) 
・ 非課税口座内、未成年者口座内の少額上場株式等に係る譲渡所得等(いわゆる「NISA、ジュニアNISA」) (措法37の14、37の14の2) 
・ 国や地方公共団体等に財産を寄附した場合の譲渡所得等(措法40) 
その他 ・ 内廷費および皇族費(所法9①十二) 
・ オリンピック、パラリンピックにおいて優秀な成績を収めた者に財団法人日本オリンピック委員会等から交付される金品(所法9①十四) 
・ 学資金および扶養義務を履行するために給付される金品(所法9①十五、所令29) 
・ 国または地方公共団体が行う保育・子育て助成事業により、保育・子育てに係る施設・サービスの利用に要する費用に充てるために給付される金品(所法9①十六) 
・ 相続、遺贈または個人からの贈与により取得するもの(所法9①十七) 
・ 心身に加えられた損害または突発的な事故により資産に加えられた損害に基づいて取得する保険金、損害賠償金、慰謝料など(所法9①十八、所令30) 
・ 公職選挙法の適用を受ける選挙に係る公職の候補者が選挙運動に関し取得する金銭等(所法9①十九) 
・ 都道府県、市区町村から、消費税率の引上げに際して低所得者に配慮する観点から支払われる一定の給付金(措法41の8、措規19の2) 

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